私的ブランド論―ルイ・ヴィトンと出会って (日経ビジネス人文庫)
私的ブランド論―ルイ・ヴィトンと出会って (日経ビジネス人文庫)
LVの哲学を徹底的に浸透させる様子が非常に印象に残りました。このプロセスにも特に二つの段階があるように思えます。 ●LVの哲学を社内に浸透させる ●LVの哲学を社外(消費者)に浸透させる ここでLVの哲学とは、クラフトマンシップに裏打ちされたメゾンブランドである、と主張していました。(=商業的なファッションブランドではない。)ここで「クラフトマンシップに裏打ちされたメゾンブランド」は非常に分かりにくい表現ですが、私なりの解釈では、職人的に品質を追求しあくまでその品質を持って勝負するブランド、というように思えました。 ここで前者を徹底している(徹底した)例としては、顧客が望むならばどんな状態の商品も直すことや、全ての製品の価格を原価に利益率を掛けて設定していることなどが挙げられると思います。後者の補足として、一般的に価格は「市場」が決めるが、仮に高い価格を設定できたとしても、あくまで自社の基準に沿った価格で提供するそうです。逆に価格が「市場」が決める価格を下回った場合は、自分達の商品が正当に評価されない又は自分達の技術力が足りない、と解釈するそうです。また消費者に対してLVの哲学を、浸透させる活動として、広告を用いて商品の宣伝をするのではなく、自分達の世界観の案内をすることなどが挙げられます。 結局、業界内で高い地位を占める企業はこの様に物事を長期的に考えることができ、また逆に、高い地位を占めているからこそ、この様なことをなせるのではないでしょうか。そしてその結果として、更に地位を向上するという好循環を築いているのだと思います。 そのような「本当の強さ」を垣間見ることの出来る本です。 【こんな人にオススメ】 ●ブランドビジネスに興味のある方 ●漫画代わりに本を読みたい方 ●ルイ・ヴィトンなんて大嫌い、という方
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